Hand in Hand
「あ、こっちくれば?」
私が間宮君の方を向くと、ドアの右側の手すりの近くが空いていた。
「あ、ありがとう!」
私は手すりの近くに立った。
手すりの近くって本当に楽なんだよねー。
助かります!
間宮君は私の隣にずれた。
「別に手すりのとこ嫌なわけじゃないんだ?」
「え?そんなことないよ!むしろ大好き!」
「大好きって…。」
間宮君はそう言って小さく笑った。
あ。それ、好きだな。
「いつも手すり側に行かないから。大変そうだなって。小さいじゃん。」
「いつも?」
間宮君は私が聞くと、しまったって顔をした。
いつも?
いつもって!
マジですか!!
ちょっと間宮君それタラシですよ!