Hand in Hand

「そろそろじゃない？」

間宮君の言葉に、窓の外を見るともう降りる駅のそばだった。


もう、終わりか…。

駅に着きドアが開く。
私は電車を降り振り返った。

すると、間宮君は私がいた手すり側にずれて、自分の鞄を床に置いていた。
そして視線を上げ、目が合う。

びくっと体が動くのがわかった。


「じゃあ。」

「うん！」

「また…。」


ドアがしまる合図のブザーが鳴った。


聞こえなかったけど口の動きで分っちゃった。


答えようとした時、電車のドアが閉まった。

電車がホームから出ていく。



『明日』



明日も、話しかけていいってこと？
嬉しすぎる。
嬉しすぎて泣きそうだよ。


いつもは憂鬱な階段を駆け足で上がった。