Hand in Hand

改札を通り、いつもと同じように階段をのぼる。

毎日思うんだけど、この階段意外にキツイんだよねー。
エスカレーター欲しい。


階段を上りきり、前を向いた。


「え。」


視線の先には、本を読みながら椅子に座っている間宮君がいた。

えーっ!なんでなんで!?
いつも電車が来るギリギリなのに。


間宮君が本から顔を階段の方にむけたから、目が合った。

間宮君は私に気がついて小さく会釈した。


私は前髪を整え、間宮君の方に近づいた。


「おはよう。」

「うす。」

「今日は早いんだね。」

「あぁ、ちょっと。」


そう言って間宮君は本を鞄の中に入れた。


「え、今日?」

「あ、うん。えと…。いつも見てた、から。」


ちょっと!何変態宣言してんだ自分!
どうしよう、間宮君引いたかな?

つか、むしろ引くよな。
あー、本当に自分馬鹿!

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