Hand in Hand

私は、視線を上にあげたら


ビックリした。


本当にカッコよくて。



すらっとした身長にきれいな黒髪。
パッチリとした二重。

とりあえず本当にカッコよすぎて



一目ぼれしちゃったんだ。

私がぼーっと彼を見てたら、すっと私の前に手を差し出した。
その手には、私のマスカラが入っていた。

「あっ、ありがとうございます。」

私はマスカラを受け取ってしゃがんだまま慌ててお辞儀をした。


そうすると、頭の上の方でクッて小さな笑い声がしたから、
どうしたんだろって思って顔をあげたら、彼が口に手をあけて肩を震わせてた線路の方を見てた。


「…ごめん。ちょっと面白くて…。」


な…何がだろ。
私は恥ずかしいだけなんだけどな

そう思ってポカンとしてたら、彼はこっちを見て。


「あんまりにも、思いっきり転ぶから…。」



そう言って、彼は私にほほ笑んだ。


< 4 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop