Hand in Hand
私は、視線を上にあげたら
ビックリした。
本当にカッコよくて。
すらっとした身長にきれいな黒髪。
パッチリとした二重。
とりあえず本当にカッコよすぎて
一目ぼれしちゃったんだ。
私がぼーっと彼を見てたら、すっと私の前に手を差し出した。
その手には、私のマスカラが入っていた。
「あっ、ありがとうございます。」
私はマスカラを受け取ってしゃがんだまま慌ててお辞儀をした。
そうすると、頭の上の方でクッて小さな笑い声がしたから、
どうしたんだろって思って顔をあげたら、彼が口に手をあけて肩を震わせてた線路の方を見てた。
「…ごめん。ちょっと面白くて…。」
な…何がだろ。
私は恥ずかしいだけなんだけどな
そう思ってポカンとしてたら、彼はこっちを見て。
「あんまりにも、思いっきり転ぶから…。」
そう言って、彼は私にほほ笑んだ。