ZAN
そして叫んだ。

「止まれっていったろ!お前母親になる自覚あんのかよ?!」

答えに困った。

だって明がこんなに怒ったの初めてだから。

怖くて。

「もういい。自覚ないんだろ。」

確かに今日初めて妊娠してるって知ったから全然自覚なかった。

柴ちゃんを抱いていた手に雨が一つ。

上を向いたら明が泣いてた。

歩行者がじろじろ見ながら通り過ぎる。

「どうしたの?明。」

「お願いだから離れないで。お願いだから体気遣って。」

「うん。」

「俺も出来るだけ仕事とかお前こと連れてくからさ。」

「うん。分かったから帰ろう?」

「・・・・・・。うん。」

私たちはそのあとタクシーで帰った。
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