ひとっ飛び
その時、机の上で携帯電話がバイブレーションした。

僕は体を起こして、机へ歩いていき、画面を確認した。

唯からのメールだった。

『吉村君。ごめん。お父さんにメールを見られてしまったの。携帯電話を取り上げられそう。今後はメールできない。門限も5時までにするって』

これに対し、

『唯は謝らなくていい。大丈夫。何とかなる。何とかする』

と僕は返信した。


その後、唯からメールが返ってくることはなかった。

彼女の携帯電話が没収されてしまったのか、それとも、唯がこれ以上の返信をためらったのかは、わからない。
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