ひとっ飛び
部活を辞めたので、唯に会うには、直接彼女のクラスに行くしかなかった。

だけどそれは、とても勇気のいることだった。

『周りの目なんて気にするな。明日こそ行くぞ』と何度となく自分に言い聞かせたが、なかなか出来なかった。

友人の話を聞く限りでは、唯も同じように周囲の目に苦しんでいるらしい。

僕たちは目立たない生徒だったから、余計に辛かった。


2年から3年に上がる春休み、唯は県外に引っ越して行った。父親の仕事の都合らしい。


それから、2年半の月日が流れた。
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