ひとっ飛び
回想・1
僕と朝倉と宮原唯は、高校時代、軽音楽部に所属していた。ギターやキーボードやドラムでバンド演奏をする部活である。
軽音楽部の活動場所は、音楽準備室だった。メインの音楽室は吹奏楽部が使っているからである。
音楽家の肖像画が掛けられた狭い部屋に、パイプ椅子を並べ、僕たちはギターを弾いて歌っていた。
3年の先輩たちや他の部員が部室を離れ、僕と唯だけが残っている時があった。
前から僕が宮原唯だけに積極的に話しかけていたので、彼女もなんとなくわかってくれていたのだと思う。
ベンチにみたいに並べられたパイプ椅子に腰掛け、僕たちは静かに唇を重ねた。
小さな窓から夕日が差し込み、野球部の威勢のいいかけ声が響いていたのを、今でも覚えている。
軽音楽部の活動場所は、音楽準備室だった。メインの音楽室は吹奏楽部が使っているからである。
音楽家の肖像画が掛けられた狭い部屋に、パイプ椅子を並べ、僕たちはギターを弾いて歌っていた。
3年の先輩たちや他の部員が部室を離れ、僕と唯だけが残っている時があった。
前から僕が宮原唯だけに積極的に話しかけていたので、彼女もなんとなくわかってくれていたのだと思う。
ベンチにみたいに並べられたパイプ椅子に腰掛け、僕たちは静かに唇を重ねた。
小さな窓から夕日が差し込み、野球部の威勢のいいかけ声が響いていたのを、今でも覚えている。