【完】イケメン生徒会長は俺様!?
そんなの……イヤだよ。


もう……辛い思いはしたくないの。



だから……誰でもいいから、あたしの頭の中からあの辛い過去を消してよ…。



あんなこと……思い出したくないよ…。



だって……あんな事実を認めたくないんだもん。


……信じたくないんだもん。



なんであたしだけが……こんな目に遭わなくちゃいけないの?



なんで……あたしだけなの?



こんなの……もうイヤだよ…。



だけど……これはあたしのわがまま。



もう神様は……あたしに味方なんてしてくれないんだ。



この事実を……一人で背負って行かなきゃいけないんだもん…。



もう、手遅れなんだ…。


あたしは今まで……あのことを誰にも言えないで居た。



違う。……言えなかったんだ。



嫌われるかもしれないから……軽蔑されるかもしれないから…。



あんなこと……誰にも言えない。



誰にも相談出来ずに……一人、心の中にしまっておかなくちゃいけないんだ。



このことは……生徒会長にも、茉衣にも。



……誰にも、言えない。


言ったら……思い出してしまうから。



あの時のことを……思い出してしまうから…。



だから、誰にも言えない


だけど……いつかちゃんと、打ち明けたい。



嫌われてもいいから……ちゃんと本当のことを言いたい。



このまま胸にしまっておくのが……辛くなるだけだから。



お父さんにもお母さんにも……まだ話していない事実を、ちゃんと言わなくちゃいけない。



これは……乗り越えなきゃいけない大きな壁だから…。



だけど……あたし、本当に生徒会長の彼女でいいのかな?



ある辛い過去を持っていて、それがトラウマになってるなんて……口が裂けても言えない。



……言いたくない。



だけど……それは裂けては通れない道。



いつかは話さなくちゃいけない時が来ることくらい……大体、予想は出来ていたんだ。



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