【完】イケメン生徒会長は俺様!?
あたしはためらいながらも、その人の手を取って立ち上がった。



でも……顔を見ることが出来なかった。



なんて顔をしたらいいのか、分からなかった。



すると彼は「大丈夫。なにも言わないから」と言ってくれた。



あたしは頷いて恐る恐る顔を上げた。



「……大丈夫?」



彼はそう言うと、あたしを心配そうに見つめた。


「……はい。大丈夫です…」



あたしはそれだけ言うと、彼から目を反らした。


「俺は高城誠人。ちなみに1年D組だから、よろしくね?美綺ちゃん」



高城君は軽く微笑んでそう言った。



「……あっ、えっと……よろしくね?高城君…」


あたしは少し戸惑いながら答えた。



「誠人でいいよ」



彼はそう言うとニコッと笑った。



「うん……分かった。あっ、あたしのことも、美綺って呼んで」



「うん。分かった」



高城君はニコッと笑うと、アスファルトに座った


あたしも隣りに座って高城君を見た。



「あの……いつから見てたの?」



あたしは意を決して口を開いた。



「……最初から」



高城君君はそう答えると、更に続けた。



「怪我……大丈夫?」



「え?……あっ、うん」


あたしはそう答えると、高城君から目を反らした


「そう……無理しないでね」



「うん。……ありがとう、心配してくれて。でも大丈夫」



あたしはそう言うと、苦笑いした。



高城君はそんなあたしをジッと見つめていた。



「本当は……寂しいんでしょ?」



そして、いきなりそう言い出した。



「……え?」



「顔が笑ってないよ。ていうか……作り笑いだって分かる」



高城君はそう言うと、あたしをそっと抱き締めた


「えっ……高城君?あの…」



「無理に笑うこと、ないよ」



高城君はそう言うと、あたしをギュッと抱き締めた。



でも……その手は少し震えていた。



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