【完】イケメン生徒会長は俺様!?
結局その日、美綺は家に帰って来なかった。



彼氏ん家なんだろ…。



まさか……ほんとにしちゃったのか?



いや。……まさかな。



だって、まだ付き合い始めたばっかりだし…。



そんな訳……ねーよな。


なに考えてんだよ、俺。


そして学校へ行くと、美綺と美綺の彼氏が一緒に歩いていた。



しかも……手を繋いでた


俺はほんとにショックだった。



目眩を起こすかと思った


そして、そこから一歩も動けなかった。



「おー流二!!なにしてんだよ。そんなとこで突っ立って」



啓悟がそう言いながら俺の肩を叩いた。



「ああ……別に」



「なんだよ浮かない顔して。……早く行かねーと遅刻するぞ?」



啓悟はそう言うと彼女と一緒に歩いて行った。



はぁ…なんなんだよ。



俺だけ彼女なしじゃねーかよ……つまんねーの。


なんかもう、ため息しか出て来ない。



俺は無言で生徒会室へと向かった。



中に入ると、ソファーにもたれ掛かった。



すると、携帯が鳴った。


「はい。……もしもし」


俺は電話に出た。



「生徒会長、昨日は帰れなくてすいませんでした。……それと、誠人ん家で生徒会長の分のお弁当も作ったんで後で生徒会室に持って行きますね」


「あ、あぁ。ありがとう……悪いな」



「いえ。気にしないでください」



美綺はそう言って電話を切った。



弁当か……そういや最近、美綺の弁当食ってねーな。……まぁ、美綺と別れてからだけど…。



付き合いだした時、美綺は張り切って毎日早く起きて俺の分の弁当まで作っていた。



俺は別にいいって言ったんだけど、遠慮しないでって言ってたから作ってもらってた。



美味かったな……美綺の弁当。



また食えるなんて……思わなかった。



まさか……また作ってくれてたなんて。



彼氏が居るのに俺の分まで作るなんて、バカなヤツ…。



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