【完】イケメン生徒会長は俺様!?
お昼休み。



あたしは誠人と一緒にお弁当を食べていた。



今日は手作り。



一応、誠人には内緒で生徒会長の分まで作った。


誠人はそれを知らない。


1時間目が終わった後、生徒会室に行って生徒会長にお弁当を渡した。



久しぶりに作った気がする。



多分、別れた後以来かもしれない。



付き合ってたころは張り切っていた。



朝早く起きて、喜んでもらいたい一心でお弁当を作っていた。



でも、別れた後はあんまり会話もせずお互い部屋に籠っていた。



生徒会長……お弁当食べてくれてるかな?



「美綺?どうかした?」


誠人はあたしの顔を不思議そうに覗き込んでいた


「ううん。なんでもないよ」



「この卵焼き、美味い」


お弁当を食べながら誠人は嬉しそうに言った。



「本当?良かった」



「美綺ってほんと料理上手だな」



「そう?ありがとう」



なんて他愛のない話をした。



お弁当を食べたあたしたちは一緒に教室に戻った


すると、5限目の始まりを知らせるチャイムが鳴った。



あたしは急いで席に着くと授業の準備をした。



それから1時間普通に終わった。



授業が終わると、茉衣があたしの所に駆け寄ってきた。



「美綺、この後さぁ……授業さぼんない?」



「え?」



「あたしと啓悟と美綺と誠人君の4人でさ」



茉衣は嬉しそうに言った


「うん。いいよ!」



あたしは頷くと、誠人に電話をかけて事情を話した。



誠人もすんなりOKしてくれた。



そしてあたしたちは先生に見つからないようにそっと学校を出た。



「ねー茉衣。どこに行くの?」



「ゲーセン行ってプリクラ撮る♪」



茉衣はそう言うと、啓悟君の腕に抱き付いた。



あの……目の前なんですけど…。



あたしたち居るんですけど…。



でも、それを見た誠人もあたしの右手をしっかりと握った。



< 178 / 698 >

この作品をシェア

pagetop