【完】イケメン生徒会長は俺様!?
誠人は……知っていた。


あたしが……まだ生徒会長のことを好きだってことに、気付いていた。



だから……別れたんだ。


誠人と付き合えば流二のことを忘れられる。……そう思ってた。



だけど、それは違った。


誠人の側に居れば居るほど……流二のことを想ってしまうあたしが居た。


誠人は……それを知っていたから、"別れよう"って言った。



あたしも……本当の気持ちに気付いてた。



だから、誠人はあたしたちを応援してくれるって言ってくれた。



なんかあったらいつでも相談しろって言ってくれた。



だから、誠人の気持ちをムダにしたくなかった。


でも……誠人も好きだった。



でも……あたしがほんとに好きなのは流二だから、流二の所に戻るって決めた。



そして流二に気持ちを伝えようと部屋に行った。


でも……あたしがうじうじしていたせいで、流二を余計イライラさせた。


その時の流二は怖くて……なかなか気持ちを伝えることが出来なかった。


それ所か、生徒会長の顔すら見ることが出来なかった。



だから、生徒会長は怒っていた。



気が付くと、あたしは流二に押し倒されていた。


だけど、顔が見れなくて生徒会長から目を反らした。



あたしはどうしたらいいか分からなくて目を泳がせるしかなかった。



だけど、唇を塞がれた。


あたしは一生懸命抵抗した。



……でも敵わなかった。


気が付くと……涙が溢れていた。



流二はあたしを見てごめんと言うと、あたしの上から退いて床に座り込んだ。



あたしは涙を拭ってベッドから起き上がると、流二の隣りに座り込んだ。


あたしは流二に抱き締められて告白された。



だからあたしも……本当の気持ちを伝えた。



また、彼女になれた。



それが嬉しかった。



本当に嬉しかった。



誠人のおかげで……本当の気持ちを、自分の気持ちを伝えることが出来たよ。



ありがとう、誠人。



この恩は、絶対忘れないよ。



< 187 / 698 >

この作品をシェア

pagetop