【完】イケメン生徒会長は俺様!?
でも、それから一週間ぐらいだった時だった。



「拓哉……聞いてる?」


「え?あ、ごめん……聞いてなかった。なに?」


最近、拓哉の様子が変なんだ。



話をしても聞いてなかったり、ずっとボーッとしてたり。



「だーかーらー。今日拓哉ん家遊びに行ってもいい?」



あたしがそう言うと、拓哉は立ち止まった。



「……別にいいけど…」


でも、拓哉はなんか怖かった。



いつもは笑って「やだよ。俺、美綺のこと襲っちゃうかもよ?」なんて言う拓哉なのに、今日は素直にいいよって言ったから。



あたしは拓哉の家へ遊びに行った。



「入れ」



「お邪魔します」



あたしは家の中に入ると、拓哉の部屋に行った。


拓哉はココアの入ったマグカップを二つ持って部屋に入ってきた。



「はい」



「ありがとっ」



あたしはカップを受け取ると、ココアを一口飲んだ。



拓哉はあたしの隣りに座ると、携帯を弄り出した


あたしはカップを持ったまま、黙って拓哉を見つめていた。



「……なに?」



「え?あっ、ううん。なんでもない…」



すると、拓哉は携帯を閉じてテーブルに置き、あたしを抱き締めた。



「拓哉?」



拓哉はあたしから離れると、あたしをベッドに押し倒した。



「きゃっ…」



「俺さ……もう限界」



「……え?」



「美綺のこと抱きたい」


拓哉はあたしにそう言うと、あたしをジッと見つめた。



あたしは拓哉から目を反らすことが出来なかった


「俺、もう限界超えてんだよね。だからさ、抱かせてよ」



「でもあたし……んっ」


その時、拓哉はあたしの唇を塞ぐとそのまま舌を入れた。



「はぁ……やめて…やだ。たく、や……やめて」


あたしはなんとか拓哉から逃れようと、必死で抵抗した。



でも、拓哉は放してくれなかった。



そして、やっと唇が離れた。



「た、たく……や?」


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