【完】イケメン生徒会長は俺様!?
冴島はさっきとは違う真剣そうな目をして俺に言った。



「分かってるよ。俺はもう美綺のこと悲しませるようなことは……泣かせるようなことは、絶対にしないって決めたんだ」


俺は少し声のトーンを低くしてそう言った。



冴島はなにも言わずにニコッと笑うと、俺の肩を何回か叩いた。



「ありがとな、冴島」



俺はさっきよりも声を低くしてそう言った。



冴島には聞こえてるのか聞こえてないのかは分からないけど…。


すると、チャイムが鳴り先生が入ってきた。



それから何事もなく授業が進んでいった。



そして、気付けばもう放課後になっていた。



HRが終わった俺は美綺と一緒に帰ろうと思い、美綺が居る教室まで行った。



教室を覗くと、美綺が眠そうに欠伸をしていた。


やっぱ可愛いなぁ…。



美綺の欠伸も悪くねぇぞ。って思った。



俺ってかなり美綺のこと好きだよな…。



好きすぎてやべーもん。


いつからだろうなぁ。こんなに美綺のことを好きになったのは。



……分かんねーや。



でも、気付いたら好きになってたんだよな。



ずっと側に居たい。離したくないって思うようになったんだよなぁ…。



不思議だよな。



今では美綺が隣りにいるのが当たり前になっていて……一緒に学校行ったり、一緒にご飯食べたり、一緒に勉強したり。



時には美綺のことを悲しませてしまい、何回も泣かせてしまったり……そんなことばっかりさせてしまっても、こうしてまた仲直りして。



俺たちはきっと……強い、"絆"で結ばれてるのかもしれない。



……って思いたい。



もし、美綺がそう思ってなくても……俺はそうだって信じる。



この先もずっと……美綺と一緒に過ごしていきたいから。



だけど、そう思っていても……なかなか口には出来ない。



このことは大事に胸の奥にしまっておこう。……と、決めた。



そんなことを考えているうちに、美綺が俺の前に立って俺のことを不思議そうに見ていた。



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