【完】イケメン生徒会長は俺様!?
流二に初めて拓哉のことを打ち明けた日。



流二はなにも言わずに聞いていてくれたけど……その所の流二は少し寂しげな表情をしていた。



その時も、オムライスを食べた。



あたしはオムライスを見つめたまま、そんなことを考えていた。



なぜか、急に視界がぼやけ始めた。



見つめているオムライスが微かに滲んで見える。


ヤバい……なんか涙出てきそう。



あたしの目には、涙が溜まっていた。



あたしは思わず俯いた。


泣き顔を見られたくないって言うのもあるけど、それは上辺だけの言葉で。本当は……心配をかけたくないだけ。



ねー流二……こんなあたしって、ただの強がりかな?



気が付けばあたしの目からはまた涙が溢れた。



あたしは涙を手で拭ってふと流二を見た。



流二はオムライスをなにも言わずに食べていた。


でも……流二があたしに気付いた。



あたしは流二から目を反らして、バレないようにそっと涙を拭った。



流二はオムライスを食べていた手を止めて、あたしを不思議そうに見ていた。



そして静かに口を開いた


「……なに泣いてんだよ」



その声は、少し震えていた。



「泣いてなんか……「泣いてんだろ」



あたしが「泣いてなんかないよ」って言おうとしたのに、流二がその言葉を遮った。



「…………」



あたしはなにも言えなくなってまた俯いた。



だけど、そんなあたしを見ても流二はなにも言わない。



それどころか、それ以上口を開こうとしなかった


でも、あたしの涙はこの静まり返った部屋の中でも止まることはなかった


気が付けば、みるみるうちにどんどん涙が溢れ出ていた。



「……なんかあった?」


流二が透き通ったくらい優しい声で、あたしにそう言った。



「…………」



でも、あたしはなにも言えずにただ黙っているだけだった。



さっきも泣いたのに、止めどなく涙が溢れる。



たくさん泣いてるのに、涙が枯れないのはなんでなんだろう。



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