【完】イケメン生徒会長は俺様!?
泣きながら思う。



あたしは勇気を振り絞り涙を拭って顔を上げた。


流二とバッチリ目が合う


あたしは流二の黒い瞳に吸い込まれそうになった


流二の目は……確実にあたしを捉えていた。



あたしは流二から目を反らすことが出来なかった


視線が絡み合う。



気が付けば、あたしの目から出ていた涙は自然と止まっていて、出ることもなかった。



流二はあたしをジッと見たまま、目を反らすことも口を開くこともなかった。



未だに視線が外れることはない。



あたしは完全に流二から目を反らすことが出来なくなった。



そして、すかさず流二が口を開いた。



「食わねーの?」



あたしはオムライスに視線を移した。



「……食べる」



あたしは短く答えると、まだ生暖かいオムライスを口に入れた。



「ふっ……美味しい」



あたしは思わず笑顔が零れた。



「お前はやっぱ、笑ってた方がいい」



流二があたしを見てそう言った。



「え?」



あたしは思わずオムライスを食べていた手を止めて流二に視線を向けた。


「なんで泣いてたのか知らねーけど、お前は笑ってた方がいい。泣いてる顔なんか見せんな」



流二はそう言うと、下を向いた。



そして更に続けた。



「一人で強がってんじゃねーよ。バーカッ」



流二はあたしに力強くそう言うと、あたしの側までやって来た。



そして、あたしを抱き締めた。



「……え?」



「一人でなんでも抱え込んでんじゃねーよ」



流二はあたしを抱き締めたままそう言った。



「…………」



あたしは返す言葉が見つからなかった。



あーあ、流二にはやっぱりバレちゃったかぁ…。


本当は……自分でも分かってた。



強がっていることなんて、自分自身が一番よく分かってた。



でも、それを表に出したくなくて必死で隠してた


ほんとに辛くても、みんなの前で無理に笑ってた


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