【完】イケメン生徒会長は俺様!?
そんなことを考えているうちに、入学式が始まった。



新入生が続々と体育館へと入ってきた。



あたしの隣りに座っている茉衣は、イケメン男子を必死で探しているようだった。



その顔は少し怖かった。


その顔はまるで……「狙った獲物は逃がさない」というような顔だった。


その雰囲気が隣りでプンプンしていた。



そしてあちらこちらで、色んな女たちがヒソヒソとどの男子がカッコいいとか、あの男子はダメだとか話していた。



ついでに男子も、あの女子は可愛いとか、あの女子は可愛くないだとか意味もない話をしていた。


なんだか聞いて呆れた。


そして新入生が入場し終えると、各クラスの生徒の名前が一人ずつ呼ばれていった。



あたしはその間、かなりの睡魔に襲われてしまい何度も寝そうになったけど、頑張って眠気に絶えた。



そして、新入生全員の名前が呼ばれた。



なんだか体育館内はザワザワしていた。



多分、カッコいい男子やら可愛い女子やらがいたのだろうと思う。



はぁ……うるさい。



少し黙れって感じ。



しかも茉衣は茉衣で、さっきまでの顔とは打って変わり、つまらなそうな顔をして先生にバレないようにこっそりと携帯をいじっていた。



多分、お目当てのイケメン男子が見つからなかったのだろうと思う。



まぁ、あれだけいっぱい居れば見つけるのもなかなか難しいだろうなぁ。……って思った。



でも、気が付けば流二が教壇の上で、生徒会長挨拶をしていた。



その姿がほんとにカッコいい。



ただ立ってるだけなのに絵になってるんだもん。


しかも女子はキャーキャー言ってるから、マジウザい。



つーかそこまで騒ぐなって、今すぐにでも言ってやりたい。



けど、流二は他の女たちには目もくれず黙々と長い祝辞を読んでいる。



そしてそれから数分後。


やっと、地獄の長い入学式が終わった。



「つ、疲れたぁ……茉衣、教室戻ろう」



「うん」



あたしたちは体育館を出た。



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