【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺を奪うとか言ってたけど、俺がそんなことさせねーし。



誰にも渡さねーよ。



……渡してたまるか。と、心に誓った。



でも……まさか俺たちにあんなことが起こるなんて、今の俺たちには想像も出来なかった。



―――――…



高校二年生になって早二週間。



そろそろ新しいクラスにも慣れてきた。



けど、そんなある日。



俺は休み時間に美綺たちと一緒に教室で話をしていた。



すると、教室のドアから声が聞こえた。



「あの……森村美綺先輩、居ますか?」



「……え?あたし?」



それに気付いた美綺は不思議そうな顔をして言った。



俺は声のする方へとゆっくりと振り返った。



すると、そこに居たのは―――…



金色の髪の毛に、目にはカラコン。アクセサリーもジャラジャラと付けていて、いかにも派手そうな男が教室のドアから顔を覗かせていた。



……美綺になんの用だよ


「流二、行った方がいいかな?」



美綺が俺を見てそう言った。



そりゃ、"行けよ"とは言いたくないけどさ…。



「行った方がいいんじゃない?待ってるみたいだし」



俺が言うよりも先に、茉衣が言った。



「そうだよね……行ってくる」



美綺はそう言って、教室のドアの方に向かった。


すると、美綺がさっきの男に腕を引っ張られどこかに連れて行かれた。



はっ!?美綺?!



俺は真っ先に教室を飛び出した。



「あ、おい!流二!!」


啓悟の声は聞こえていたが、あえて聞こえないフリをした。



どこだ!?どこに居るんだ?!



俺は全ての教室を探したが、どこにも居なかった


どこにいんだよ……ったく。



すると、階段の所で美綺たちを見つけた。



俺は階段の影に隠れて二人の話を聞いていた。



「俺、美綺先輩が好きです。……俺と付き合ってください」



……やっぱりな。



そういうことだろうと思ったよ。



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