【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺はモテるから、何人もの男に告られるんだよな。



それだけでも、俺はイヤなんだけど。



「ごめんなさい。あたし、彼氏居るんで」



良く言ったぞ美綺!!……って思ってたんだけど―――…



「きゃっ!ちょっとなにするの?!」



美綺?!……なにが起きた?!



「仕方ないですね。先輩が俺のもんになってくれないなら、無理矢理でも俺のにしてみせますよ」


なっ!!なに言ってんだコイツ?!



いや待てよ。……このセリフ、どっかで聞いたような気が…。



まさか……アイツか?



「は?アンタなに言って……んっ」



と思っていると、美綺の声が聞こえなくなった。


ん?……なにが起きた?


美綺の声が聞こえなくなったぞ!!



あの男、美綺になにしたんだよ?!



俺はそう思い、階段の影から体を出した。



「……や、やめて!!」


美綺の声が廊下いっぱいに響いた。



「いってー…」



「アンタって……ほんとサイッテー」



美綺の声が、少し震えているのが分かった。



え?……泣いてるのか?


アイツ……なにしたんだよ。



すると、美綺が俺の目の前に現れた。



「えっ……流二?!いや、ごめんなさい」



美綺はそう呟くと俺の前から走りだした。



「おい、美綺。待てって!どこ行くんだよ!!」


俺は美綺の腕を掴むと、美綺はびっくりして俺の方を向いた。



「放して……いやぁ。お願いだから、放してよ。ねー…」



「アイツか……アイツに、キスされたんだろ?」


俺がそう言うと、美綺は目を見開き肩をビクッと震わせた。



「……ごめんなさい」



俺は美綺をギュッと抱き締めた。



「流二……お願いだから、離して」



「やだ。美綺が……大事なヤツが泣いてんのに、ほっとける訳ねーだろ」


俺はそう言うと、また更に強く抱き締めた。



美綺、ごめんな。守ってあげられなくて。



守ってやるって約束したのに。



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