【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺は頷くと、ニッコリ笑った。



すると、茉衣が口を開いた。



「美綺……あの男には気を付けな」



「え?」



すると、茉衣の表情が変わった。



「美綺、良く聞いて?あの男は……アンタのこと狙ってるよ」



「……狙ってる?」



美綺がそう言っても、茉衣の表情は一向に変わる気配が無い。



「うん。あの男は……雨宮君から美綺のこと奪うつもりなんだよ」



茉衣はそう言うと、顔色一つ変えずに俺たちを見た。



「どういうことだ?」



俺がそう聞くと、茉衣は眉間にシワを寄せて静かに口を開いた。



「みんなも知ってると思うけど……あの男の名前は、峰岸裕介」



え?峰岸……裕介?



峰岸って、まさか。



「峰岸って……まさか」


「そう……アイツだよ」


茉衣はそう言うと、俺を見てから美綺に視線を向けた。



美綺は話が理解出来ていないのか、困った顔をして目を泳がせている。



「でも……なんでアイツがここに?」



俺がそう言うと、啓悟がおもむろにに口を開いた


「アイツは……最初から美綺ちゃん狙いでここに入ったんだ」



アイツが……美綺狙いでここに入った?



「……え?あたし狙いって、どういうこと?」



美綺が驚いた顔をしてそう言った。



「俺たちも今日初めて知ったんだけど……アイツ、美綺ちゃんを昔から知ってるらしいんだ」



啓悟はそう言うと、美綺を見つめた。



「え?あっ、えっと……ちょっと待って。どういうこと?」



美綺はそう言うと、啓悟たちを見つめた。



「俺も詳しくは分からねーんだけど……他のヤツ等からそう聞いたんだ」


啓悟はそう言うと、机の上に座った。



「実は……俺も同じこと聞いた」



少し沈黙が続いた後、同じクラスのヤツがそう言った。



「「……俺らも」」



その後に続いて、みんなが呟いた。



俺も……アイツのことを知ってる。



この辺じゃ有名な不良だ


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