【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……そんなヤツだよ」


美綺はそう呟いて下を向いた。



美綺の言い方にさえ、恐怖を覚えてしまう。



「…………」



みんなも言葉が出てこないのか、なにも喋ろうとはしなかった。



……というか、美綺の言葉に威圧感を感じてしまい、言葉が出てこないって言った方が正しい。



「……これでアイツのこと分かったでしょ?あいつはウワサ通り、女遊びが激しいし、喧嘩だって強い。……多分、喧嘩はどこの不良よりも遥かに強いと思う。あたしたちの想像以上よりもかなり上回ってる。あたしたちが相手にした所で、どうにかなるような問題じゃないことは確か」



美綺は落ち着いた声のトーンのままそう言うと、ため息をついた。



そしてまた小さい声で呟いた。



「……峰岸裕介は問題児になりそうだね」



みんなには多分聞こえていないが、俺にはハッキリ聞こえた。



「生徒会長」



いきなり名前を呼ばれた


いつもは流二だから、誰が呼んだかと思った。



「え?ああ、なに?」



「アイツは今後、絶対になんかしら問題を起こすと思う。だからその時は……退学にさせて」



美綺はそう言うと、悪魔のような目を俺に向けた


「……あ、ああ」



俺は短く答えると、みんなに視線を向けた。



美綺の目は、本当に怖かった。



今日に限って、美綺に負けそうだ。



吸い付くような目で俺を見ている美綺は、本当に怖い。



喧嘩だったら、普通に美綺に立場逆転されてる。


「はぁ……もう一度言うけど、アイツにはむやみに近付かないこと。それと、あまり関わらないこと。これだけは絶対に守って。みんなの安全のためだから」



美綺はそう言うと、顔を上げた。



「……う、うん。分かった」



茉衣はそう呟いて下を向いた。



「みんな、席に戻ろう」


美綺がそう言うと、みんな静かに席に戻って行った。



俺も席に座ると、隣りに居る美綺に声を掛けた。


「なぁ美綺」



「ん?……なに?」



はぁ……良かった。



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