【完】イケメン生徒会長は俺様!?
いつもの美綺だ。



「お前も、アイツにむやみに近付くなよ。お前になにかあったら俺が困るんだから」



「分かってるよ」



美綺はそう言うと、ニッコリ笑った。



その笑顔はさっきとは違い、とても優しかった。


「なら、いいんだけど」


俺がそう言うと、いきなり背中が重くなった。



なんか、美綺が抱き付いてきたみたいだ。



おい……ここ教室だぞ?


そして美綺が言葉を発した。



「……流二」



と小さく呟いた。



「ん?なに……って、おい!どうしたんだよ。なんで泣いてんだ?!」



美綺は泣いていた。



その証拠に、俺の机には涙が零れていた。



「ちょっと美綺!どうしたの?」



それに気付いた茉衣が、美綺の隣りに来て美綺の背中を擦りながら言った


「ヒックッ……なんでもない」



美綺はそう呟いて俺の肩に顔を埋めた。



「……わりーみんな。ちょっと抜ける」



「あっ、うん」



俺は美綺の肩を抱いて教室を出た。



歩いている間も、美綺はただひたすら涙を流していた。



俺たちは生徒会室に入った。



俺は美綺をソファーに座らせると、美綺の隣りに座った。



すると、美綺がまた俺に抱き付いてきた。



俺は美綺の背中を擦った


「美綺?……どした?」


優しく問い掛けた。



「うっ……なんでも、ない」



俺は美綺の背中を擦りながら頭を撫でた。



俺はなにも言わずに、美綺が泣きやむまでずっと美綺の背中を擦っていった。



しばらくして、美綺が顔を上げた。



「美綺?大丈夫か?」



「……うん」



美綺は俯きながら頷いた


「ごめんね……いきなり抱き付いたりして」



美綺はそう言うと、涙を拭った。



「いや、いいんだ。でも、理由は聞かないから安心しろ」



「うん……ありがとう」


「気にすんな」



美綺は……なんで泣いてたんだろう。



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