【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺と生徒会長が教室から出て行った後、教室は静まり返っていた。



……沈黙が漂う。



美綺はなんで泣いたの?


それが気になって仕方がなかった。



そして、峰岸裕介って人のことも。



もし、美綺が言ってたことが本当なら……あんまり近付かない方が良さそう。



でも美綺がそこまで言うってことは……きっとなにかあったはず。



でも、アイツマジで最低だ。



女遊びが激しい?



すぐに違う女に乗り換える?



はぁ?ふざけんなっつうの!!



最低としか言い様がない


あり得ない。マジでイカれてる。



……バカみたい。



それで美綺のこと好きとか言ってんの?



……マジ最悪。



あんな最低なヤツに、美綺は近付けさせないから


あたしが美綺を守る。



美綺を傷つけるようなことしたら、あたしが許さない。



あたしは机に顔を伏せて考えていた。



「……衣……茉衣」



啓悟があたしの名前を呼んだ。



「ん……なに?」



あたしは机に伏せていた顔をあげて言った。



「分かってると思うけど……アイツにはむやみに近付くなよ」



啓悟は真剣な眼差しであたしをジッと見ながら言った。



「うん。分かってる」



あたしはそう言って苦笑いした。



「なら……いいんだけどな」



啓悟はそう言って自分の席に戻って行った。



……あたしもしかして、啓悟にまで心配かけちゃってる?



やばいな。……って、あたしが心配されてどうする!!



それじゃ意味ないじゃんか!!



あー。心配なのは美綺だって!!



しっかりしろあたし!!


あたしは頭をブンブン振った。



その時―――…



「塚原、お前なにやってんだ?」



「え?」



あたしはびっくりして顔を上げた。



すると、目の前には冴島君が立っていた。



「さ、冴島君」



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