【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……流二、今の見た?」



「ああ。バッチリ見た」


あたしたちは教室から少し離れた廊下の壁に寄り掛かって、その光景をジィーッと見ていた。



「なんかあの二人、前にも増してラブラブになったような気が……」


あたしがそう言うと、流二は茉衣たちを見ながら言った。



「"なったような"じゃなくて、"なった"の間違いじゃねーか?」



……うん。流二の言う通りだね。



「うん。絶対そっちのが正しいね」



「だろ?だってよ……人前であんなに熱いキスしてるんだぞ?しかも、あんな堂々と」



流二はそう言うと、呆れ顔で二人を見ていた。



うん。……確かに。



やっぱり、流二の言う通りだ。



あたしなら、人前であんな熱いキス恥ずかしくて出来っこないよ。



「……うん。流二の言う通りだね」



「だろ?いくら俺でも、あんな恥ずかしいこと人前でなんか出来ねーよ」


流二はそう言うと、ため息をついてまた二人に目を向けた。



ふーん。……流二でも出来ないことあるんだ。



初めて知った。



……って!!流二だってこの前、普通にみんなの前であたしに熱いキスしてたじゃん!!



それだってあたしにとっては充分恥ずかしいのに!!



流二の恥ずかしいって、どの変を基準にしてるか分からない!!



「……流二でも恥ずかしいこと、あるんだね」



気が付けば口が勝手に動いていた。



「おい。それどういう意味だ?」



……はっ!!しまった!!



口が勝手に動いちゃったよぉ…。



「あっ、い、いや……その、口が勝手に」



あたし、今マジで意味不明なこと言ってるよ。



「動く訳ねーだろ」



やっ、ヤバい。



完全にヤバいスイッチが入っちゃったかも!!



うわぁ……こりゃまずいぞ。



顔がニッコリ笑っていても、流二の目は確かに笑っていなかった。



うっ……怖いからぁ!!


悪魔みたいな目してるよ…。



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