【完】イケメン生徒会長は俺様!?
でも、その吸い付くような目で見つめられると……やっぱりドキッとしてしまう自分が居た。



そして、そんな力強い目で見られると……目が反らせなくなっちゃう自分が居た。



あたしは流二と壁の間に挟まれていて……流二が怪しい笑みを浮かべながら一歩一歩とあたしに近付いてくる。



あたしはこれ以上下がれなくなくて……流二をジッと見つめることしか出来なくなった。



流二のその力強い目に引き寄せられて……心臓がバクバク言ってる。



……心拍数が上がってきてる。



目が反らせない分、流二をずっと見つめているから流二があまりにもカッコ良く見えて、あたしの心臓の音もどんどん大きくなっていく。



もう、どうすることも出来ないんだ。



流二が好きすぎて……大好きすぎて……離れたくなくて……離したくなくて……流二の優しさに甘えている自分が居た。



嫌われたくなくて……離して欲しくなくて……必死に自分を作ってきた。


でも、それを隠し通すこともなかった。



あたしは、ウソを付くのが嫌い。



ウソを付かれるのも……嫌い。



だから、自分のありのままの自分を見てもらいたかった。



ありのままの自分を見て欲しかった。



だから、どんなに辛いことも正直に話した。



ウソを付きたくなくて……隠すのが辛くて。



こんなこと話したら……笑われちゃうかな?



おかしいって……笑われちゃうかな?



「美綺…」



そんなことを考えていたら、流二に名前を呼ばれた。



「え?……んっ」



流二がいきなり唇を重ねてきた。



あたしは自然と目を瞑った。



たった何秒間のキスだったけど……あたしには充分嬉しいことだった。



唇がゆっくり離れた。



あたしはゆっくり目を開けた。



「美綺?」



「……ん?」



「一生俺から離れるなよ。俺も美綺のこと絶対離さないから」



なんて真面目に言うもんだから―――…



「うん。絶対離れないし、離して欲しくない」



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