【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺の誕生日パーティーが終わった後、美綺に話があると言われて美綺の部屋に行った。



美綺は今日も具合が悪かったみたいで、パーティーにはあんまり参加していなかった。



というか出来なかった。


体調が悪かったから、料理もあんまり食べられなかったみたいで、ただ座っているだけだった。



途中、何度も具合が悪いと言ってトイレに行った


美綺は本当に辛そうだったから、見てた俺はなんだか心配で心配で仕方がなかった。



ただソファーに座ってジッとしている美綺を見て、たくさんの人達が美綺に優しく声を掛けてくれたたりした。その度に美綺は、"大丈夫です"と話しかけてくれた人に言っていた。



けどそんなのはただの作り笑いで、本当の笑顔じゃなかった。



俺だって……美綺が無理矢理笑顔を作っていたことに気付いていた。



きっと笑えなかったんだと思う。



心の底から笑うことが出来なかったんだと思う。


美綺は俺に、ちゃんと笑えてるかな?なんて聞いてきたけど、自分でも分かってたんだと思う。



……いつも通りに笑えてなかったことが。



全然笑えてないってことが。



けどどんなに辛くても、無理に笑顔を作って笑っていた。



俺はそんな美綺を見て、少し悲しくなった。



美綺の隣りに座っていた時、心配で心配で仕方がなくて、何度も美綺に声を掛けた。



それでも美綺は、頷くか、"大丈夫"としか言わなかった。



きっと美綺は、辛かったんだと思う。



自分の誕生日がこんな形で来るなんて思ってもいなかったって言っていたから。



たくさんの人たちがあたしのために集まってくれたのに、まともに挨拶も出来なかったし……逆にみんなに心配をかけちゃったから、なんだかみんなに悪いことしちゃったって言っていた。



でもこの後……俺の予想を遥かに上回る出来事が起こるなんて思いもしなかった。



正直信じられなかった。


その時の俺は、多分マヌケな顔をしていたに違いないと思う。



まぁ、それを聞いて驚かない方がすごいと思うけど…。



少なくとも、俺は驚いた


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