【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「はっ?お前……今なんて言った?」



コイツ今、"妊娠"とか言ったような…。



……俺の聞き間違い?



「だから……妊娠したの。あたし」



……えっ?!



みっ、美綺が!?



「妊娠って……美綺が?」



言いたいことがたくさんありすぎせいで、パニック状態になってしまい、口を開いたらそんな言葉が出てきてしまった。



「……うん」



美綺が静かに頷いた。



「……ウソッ」



「本当だよ。具合が悪かったのもそのせい。……まぁ、つわりとかイロイロ」



美綺が少し引きつった顔でそう言った。



「……マジで?」



だって……もう子供出来ないって言われたんじゃ…。



俺が言いたいことを察した美綺が、口を開いた。


「確かに子供出来ないって言われたけど、今こうやって妊娠することが出来たんだもん。……それはもう"奇跡"と言い様がないよ。実際、あたしもまだ信じられないし…」


美綺はそう言ってニコッと笑いかけた。



美綺が……妊娠?



「……おっ、俺の子?」


って……なに聞いてんだ俺?!



そんなの当たり前なのに…。



「プッ……当たり前じゃん。誰の子だと思ったの?」



美綺はそう言ってフフンッと笑った。



「だよな……悪い。……ちょっと混乱してて…」


「ハハッ……まぁ、無理もないよ。いきなりだったから」



俺がそう言うと美綺は、苦笑いしながらそう言った。



お前……なんで笑ってられんの?



と、とっさに思った。



そして、また美綺が口を開いた。



「……それでね」



いきなり美綺の顔つきが変わった。



なんか……俺を見つめる目が真剣になった。



反らしたいけど、反らせない。



そして、俺を見つめたまま美綺が言った。



「……お願いします。産ませてください」



美綺がそう言って俺に頭を下げた。



いきなりのことで、俺はびっくりした。



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