【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「ご、ごめんね流二。そんなつもりなかったんだけど……流二すごいお肌ツルツルだったから、羨ましくてさ。そしたらなんか、触りたくなっちゃって…」



とりあえず言い訳してみる。



「へぇ……そんなに俺が羨ましかったの?」



流二はあたしの顔を覗き込んでいる。



しかもニヤッと笑ってる


ムカつく。……男のくせに!!



なんで肌綺麗なんだよ!!



不公平じゃんか!!



「うん。羨ましかった」


だって本当のことだもん


「そっか。でも美綺は美綺なんだから、そんなに落ち込むことないと思うぞ。美綺は今のままでも充分可愛いんだからさ」


流二はそう言ってあたしの頭をポンポン撫でた。


「うん。ありがとう…」


あたしはそう言うと、ニコッと笑った。



「どういたしまして」



流二は、いつも優しい。


あたしがなにかで悩んでたり、落ち込んでたり、不安になってる時、いつもこうやって優しい言葉を掛けてくれる。



そしてさっきみたいにニコッと笑って、あたしの頭を撫でてくれるんだ。


それだけで幸せになれる


だけど……やっぱり不安なんだよ。



子供産むことに……少し抵抗があるの。



そりゃあ、産みたいよ。


せっかく出来た子供だもん。



産みたいに決まってるよ…。



だけど……不安で不安で仕方ないの。



ちゃんと母親になれるのかな?とか、ちゃんと育てられるのかな?とか、いつも心のどっかで思ってるの。



……表情には、出さないけど。



いつも思ってるんだよ。


でもだからって……せっかく授かった命をムダにはしたくないし…。


"堕ろす"ってことだけは絶対にしたくない。



もう……あの時みたいに辛い思いしたくないの。


同じこと……何回も繰り返したくないの。



そしたら相手を傷付けちゃうし。……でも、なにより一番辛いのは……自分自身だから。



「産んであげられなくてごめんね」って事実を、もう受け入れたくないの


もう……そんな目に遭いたくないの。



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