【完】イケメン生徒会長は俺様!?
もうすぐ夏休み。



美綺のお腹もちょっとずつ大きくなり始めていた


それを見ると、なんだか美綺が母親になるんだな。って実感させられる。


俺はまだ、実感ないけど


美綺はきっと……母親になれることを誇りに思ってるんだと思う。



もう子供が産めないかもしれないって言われたのに…。



けど、奇跡が起きた。



だからこそ美綺は、母親になることを選んだと思う。



そりゃあ……まだ17だからやりたいこともまだたくさんあると思う。



けど、美綺は母親になりたいって自分から言ったんだ。



それはきっと俺のためでもあると思うけど……一番は自分のため。そして、"両親のため"なんだと思う。



美綺はあの日、両親の涙を始めて見た。



きっと、言いたくなかったと思う。……心配掛けるかもしれないから。



両親に嫌われるかもしれないから。



きっと……話すのにかなりの勇気が必要だったんだと思う。



だけど美綺は、正直に話した。



だからこそ、母親になりたいんだと思う。



自分の母親のような母親に、なりたいんだと思う


美綺は自分の母親を誰よりも尊敬してる。



付き合い始めた時、俺は美綺に聞いたことがあった。



「美綺は将来なにになりたいんだ?」って。



そしたら美綺は……最高の笑顔でこう答えた。



「将来は、お母さんみたいな人になりたいんだ」


俺はその時思ったんだ。


美綺はきっと……いい母親になれるって。



心の底からそう思った。


今、美綺は少しずつだけど……母親になろうとしてる。



母親になろうと、必死で頑張ってる。



美綺はある日、俺に言った。



「あたし、もう子供産めないのかな…」って。



その時の美綺の顔は……すごく悲しそうだった。


今までにないくらい、悲しそうな顔をしていた。


俺はそんな美綺を隣りで見ていたけど……ななも言えなかった。



本当は、"大丈夫だ"って言ってやりたかった。



けど……言えなかった。


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