【完】イケメン生徒会長は俺様!?
きっと俺が大丈夫だって言っても、美綺には同情にしか聞こえない。……そう思ったから。



けど美綺は俺に言った。


「きっと……いつか母親になれるよね」って。



けどその時の美綺は、笑ってなくて―――…



「同情なんかして欲しくない」……そんな顔をしてた。



だから、なにも言えなかった。



美綺に同情したら……美綺がきっと悲しむ。



……そう思ったから。



本当は……"大丈夫って"一回くらい言ってやりたかった。



けどそんなこと言えなかった自分に……無性に腹が立った。



その時の俺は……きっと未熟だったんだと思った


彼女に一言も声を掛けてやることが出来なくて、同情って思われても良いから……声を掛けてやれば良かったって。



すごく後悔したんだ。



ずっと……後悔してた。


「……じ……流二?」



「……え?」



そんなことを考えていたら、美綺が不思議そうな顔をして俺の顔を覗き込んでいた。



「どうしたの?ボーッとして」



「いや……なんでもない」



「ふーん。あっ、ねーねー。こっちとこっちどっちがいいと思う?」



美綺が洋服のカタログを両手に持ち、聞いてきた


「え?」



そして美綺は、俺にカタログを見せてきた。



「だから、こっちとこっちどっちがいいと思う?」



美綺が指差して言った。


「どれどれ?」



俺はカタログを見た。



美綺が指差してるのは、薄い黄色のパーカーとピンク色のパーカーだった


……いや、どっちがいいと思う?なんて聞かれても分かんねーんだけど。


「ねー。どっちがいいと思う?」



美綺が俺の肩を揺らして聞いてくる。



「いや、どっちって言われてもな…」



「あたし的には黄色のがいいかな?と思うんだけど……でも、ピンクも捨てがたいんだよねーっ」


美綺がカタログをジーッと見つめながら言った。


「……美綺が好きなのでいいんじゃね?」



適当に言ってみた。



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