【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……ねー流二」



美綺が俺の名前を呼んだ


「ん?」



「……あたし、きっとこれから流二にいっぱい迷惑かけると思う」



美綺が静かに口を開き始めた。



「…………」



俺も黙って話を聞くことにした。



「……でも流二には、感謝してる。こうやって流二に逢うことが出来て……ずっと一緒に居てくれて」



「…………」



「あたし……過去に辛い想いたくさんしてきた。だけど、流二はそんなあたしを受け止めてくれた。……一緒に、泣いてくれた」



美綺の言葉で思い返す。


美綺が俺に始めて、過去の話をした時のことを。


美綺は申し訳なさそうな顔をして、過去の話を俺にした。



途中、泣きながら俺に話してくれた。



でも俺は……そんな美綺を見て、泣いてしまったんだ。



気付いたら勝手に涙が出てきて……美綺に泣いてるの?って聞かれた。



その時俺は、美綺を本気で守りたい。……そう思った。



本当に、そう思った。



「……どんな時でも側に居てくれて……あたしを笑顔にしてくれた」



「…………」



「なにがあっても絶対離さないって言ってくれた時……あたし分かったんだ。流二だったら、あたしを絶対幸せにしてくれるって」



「…………」



「あたし……最初は流二が嫌いだった。俺様で自分勝手で、みんなの前ではニコニコして。猫被ってるから、嫌いだった」


「…………」



俺も最初は……美綺なんか好きでもなんでもなかった。



ただ彼女にしたってだけで、別に好きになるつもりなんかなかった。



けど気付いたら、美綺を本気で好きになっていた


そしていつしか、離したくないって思うようになった。



ずっと側に居たい。俺が美綺を幸せにしたい。



そう思うようになった。


「あたし……今まで流二の優しさにすがりついてた。離して欲しくなくて、離したくなくて……ずっと流二に甘えてた」



「…………」



「流二があたしから離れてくのがイヤで……必死ですがりついてた」



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