【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……美綺」



「あたし……すごく不安だったの。また突き放されるんじゃないかって……またあたしから離れて行くんじゃないかって。そう思うと……不安で不安で仕方なかった」



美綺はそう言うと、涙目になりながら俺をジッと見つめた。



俺は美綺を見つめると、美綺の頭を優しく撫でた


「あたしの妊娠知った時……きっとまた前みたいに堕ろせって言われるんじゃないかって思って、不安になってた」



俺は美綺の手をギュッと握った。



「……でも、覚悟はしてたの。もし堕ろせって言われたら、あたしはきっと別れてくれても構わない。だから子供だけは産ませてください。……そう言ってたと思う」



美綺はそう言うと、俺の手をギュッと握り返した


「でも……流二が父親になるって言ってくれた時、ほんとに嬉しかった。あたし……もう突き放されないで済むんだって実感した」



「…………」



「でも確かに……流二の言う通りだよ。あたしまだ17だし、やりたいことだってまだたくさんある。……けど母親になるのを捨ててやりたいことやるより、母親になることを選んだ方が……きっと自分自身のためにもいいと思ったの」



美綺……そんなこと考えてたのか。



俺……全然ダメだな。



美綺のこと……なんにも分かってなかった。



俺って、ほんとダメだな


すんげー情けねぇ。



「…………」



「それに……せっかく出来た赤ちゃんだもん。産まない訳、ないじゃん」


美綺はそう言うと、柔らかな笑顔で笑った。



その笑顔は……今までで一番、幸せに未知溢れていた。



「子供出来たのも……きっと流二だからだよ」



美綺はそう言うと、ニッコリ笑った。



「…………」



その笑顔は……さっきの涙がウソのように明るかった。



改めて思った。



……美綺を幸せにしてやれるのは、俺だけなんだって。



美綺の隣りに居られるのは、俺だけなんだって。


美綺を笑顔に出来るのは、俺だけなんだって。



美綺を守ってやれるのは、俺だけなんだって。



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