【完】イケメン生徒会長は俺様!?
そしてアイスを食べ終えた後、店を出て家へと帰った。



「ねーっ、流二」



歩いてる途中、美綺がいきなり口を開いた。



「ん?」



俺は腕にしがみついてる美綺に視線を向けた。



「あたし……子供産んでも、ちゃんと卒業だけはしたい」



美綺はそう言って、しがみついている腕の力を強めた。



「……当たり前だろ?ちゃんと卒業しろ」



「……うん」



俺はそう言って美綺の手をギュッと握り締めた。


なんで美綺がこんなこと言ったのかは分からないけど、それでもちゃんと卒業して欲しい。



……そう思った。



そして家に帰ると美綺を部屋へと連れて行き、自分の部屋へと戻った。



そしてたまっている仕事をやり始めた。



メガネを掛けて山のように積まれている資料を上から取っていく。



えーっと、なになに?



ゲッ……マジかよ。



始業式の挨拶やんなきゃなんねーんだっけ…。



「はぁ…」



大きくため息をつく俺。


面倒くせー…。



「仕方ねー。後にするか…」



―――――…



仕事を始めてからおよそ2時間。



資料の山も結構減ってきた。



俺は持っていたシャーペンを机に放り投げると、伸びをした。



そしてイスにもたれ掛かった。



「……うわっ!!」



イスにもたれ掛かると、美綺が不思議そうな顔をして上から俺の顔を覗き込んでいた。



「そんなに驚くことなくない?」



「お前、勝手に入ってくんじゃねーよ……入るならノックぐらいしろよ」


俺は態勢を元に戻すと、メガネを外してもう一度美綺の方を向いた。



「ノックしたよ。けど、返事がなかったから寝てるのかなぁと思って入ったら……仕事しててすごい真剣そうだったから、話しかけられなかった」


美綺はそう言うと、ベッドに座り込んだ。



「そうか……悪かったな。気付かなくて」



「ううん。大丈夫」



美綺はニコッと笑った。


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