【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「みんな、そこに座って待ってて」



あたしはそう言うと、流二の腕を掴みリビングを出た。



「流二、なんでそんなに不機嫌なの?」



「はっ?」



あたしは流二をジッと見つめて言った。



「せっかくみんな来てくれたのに、そんな態度取らないでよ」



あたしはそう言うと、ため息を付いた。



「……面倒くせー」



流二はそう言うと、頭を掻いた。



「……もう」



「でも」



流二が言葉を続けた。



「……でも?」



あたしは流二の顔を覗き込んだ。



「しょうがねーから、お前の側に居てやる」



流二はそう言うと、優しく微笑んだ。



「うん。ありがとう」



「ああ」



そして、あたしの頭をクシャクシャと撫でた。



「流二って、なんだかんだ言って優しいよね」



あたしはそう言って足元に視線を向けた。



「そうか?」



「うん。忙しくて大変なのに、毎日あたしの側に居てくれるし。あたしのこと、心配してくれるじゃん」



あたしは足元に視線を落としたまま言った。



「……心配すんのは当たり前だろ。お前は子供産むんだから」



流二はいつもより優しい声でそう言うと、あたしを後ろから抱き締めた。



「……流二、ありがとう」



あたしは小さな声で呟いた。



「……ああ」



そして流二は、あたしを更に強く抱き締めた。



「……流二の体、温かいね」



「え?」



「こうされると……なんだか落ち着くの。心が、温かくなるの」



あたしはそう言うと、流二の腕を掴んだ。



「……俺も。美綺のこと抱き締めてるとなんかすげー安心するし、なんか落ち着く」



流二はそう言うと、片手であたしの頭を撫でた。



「この匂いも、可愛い笑顔も、全部好き」



流二が頭を撫でながら優しい声でそう言った。



「……うん」



それと同時に、流二は優しいキスを落とした。



< 464 / 698 >

この作品をシェア

pagetop