【完】イケメン生徒会長は俺様!?
釣り合ってないことくらい分かっているけれど、それでもあたしは流二が好き。



それだけは胸を張って言える。



「お前はほんとに素直じゃねーな」



流二が言った。



「うるさい。そんなこと分かってるもん」



あたしはそう言うと、唇を尖らせた。



「でもお前、可愛いからついいじめたくなる」



流二はそう言うと、ニヤッと笑った。



「なによそれーっ」



「リアクションがいちーち面白しれーから、いじめ甲斐ある」



流二は得意気に言った。



「なにそれ。ヒドーい」



「お前はいちーち可愛いすぎるんだよ」



流二は意味の分からないことを言い出した。



「え?」



そして上目遣いで流二を見た。



流二は上目遣いに弱いこと知ってるし。



「バカッ!!……んな顔すんな」



ほら、流二もちょっと顔赤くなってる。……いや、かなり。



てゆーか、耳まで真っ赤!!



なんか可愛い♪



「流二……キスして?」



そんな流二が可愛くてつい、そんなことを言ってしまった。



「んっ…」



流二はほんとにキスしてくれた。



甘くとろけるようなキスを―――…



キスだけなのに、それだけであたしの心は満たされる。



体中が熱を持って。



流二の温もりを感じてる時、あたしはすごく幸せ



一人の時も、流二が側にやってくる度に幸せを感じてる。



それくらい、流二が好き



生活のほとんどを流二と過ごしてみて、分かったことがあった。



毎日一緒に居て、分かったことがあった。



あたしは一人じゃない。



あたしには流二が居る。



どんなに辛い過去があっても、その過去から逃げちゃイケないこと。



でもそんなあたしを、なにも言わずに受け止めてくれた流二が居た。



流二なりの優しさで。



それから、自分から逃げちゃイケないこと。



みんな、流二のおかげで分かった。



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