【完】イケメン生徒会長は俺様!?
お母さんの声が少しだけ低くなった。



「そうだねーっ」



「でも、ここからが大変なんだからしっかり頑張りなさい。挫けちゃダメよ」



「うん。ありがとう。頑張る」



「じゃあ体に気を付けて頑張りなさいね。またなんかあったら、いつでも電話してきていいから」



「うん。ありがとう」



「じゃあね。体に気を付けて」



「お母さんもね」



「えぇ。たまには帰って来なさいよ」



「うん。じゃあね」



あたしはそう言うと、電話を切ってベッドの上に置いた。



ふう、頑張らなくちゃ。……お母さんのためにも



お母さん、子供が産まれることをすっごく喜んでくれてるし。



初孫が早く見たいって言ってるし。



ここからが大変だけど、子供のために頑張らなくちゃ。



元気な子供産んで、お母さんに一番最初に逢わせてあげたいな。



お母さん、きっと喜ぶだろうな。



ベッドの上でそんなことを考えた。



―――――…



「美綺、昼飯だぞ」



流二があたしの部屋に入ってきてそう言った。



「あっ、うん。今行く」



あたしはベッドから起き上がると、部屋を出た。



「大丈夫か?なんか疲れた顔してるぞ」



流二が隣りを歩きながらそう言った。



「ん?平気平気♪」



あたしはそう言うと、ニコッと笑った。



「あんま無理すんなよ」



「それ、さっきお母さんにも同じこと言われた」



「は?お前の母親が?」



流二が不思議そうな顔をする。



「うん。さっき電話で話してた」



「ふーん」



「お母さんね、子供が産まれることを誰よりも喜んでるんだ」



あたしはそう言うと、お腹を擦った。



「え?」



「電話で言ってたんだ。早く孫の顔が見たいって」



「……そっか」



「うん。お母さん的には男の子でも女の子でも、どっちでもいいらしいけどさ」



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