【完】イケメン生徒会長は俺様!?
夏休みもあっという間に終わった。



そして今日は始業式。



美綺も一応学校に行くみたいだけど、もっとお腹が大きくなってきたら出産して子育てをするため、しばらく学校を休むと言っていた。



美綺が決めたことなら俺はそれでいいと思い、それで承諾した。



「流二おはよっ!!」



「おーっ」



久しぶりに見る美綺の制服姿。



制服を着ていても、美綺のお腹はそんなに目立っていなかった。



「どう?目立つ?」



きっとお腹のことだろう



「いや。そんなに目立ってない」



「そう?よかったぁ」



美綺は安心している様子だった。



「支度出来たか?出来たならそろそろ行くけど…」



「あっ、うん。ちょっと待ってて!カバン持ってくる」



美綺はそう言うと、急いで部屋へと戻った。



俺は美綺がくるまで、壁に寄り掛かって待っていた。



「お待たせ!」



「おー。じゃあ行くか」


「うん」



そしてまたいつものようにメイドたちに見送られながら家を出た。



「美綺、お腹は大丈夫か?」



「うん」



「あんま無理すんな。辛かったら誰かに言えよ」



「うん。ありがとう」



「気にすんな」



俺は美綺の頭をポンポンと撫でた。



久しぶりだな、美綺の頭撫でるの。



美綺の頭撫でてると、なんか自然と落ち着くんだよな。



それに……美綺も笑顔になってすげー嬉しそうな顔をするから。



それを見ているだけで、俺も笑顔になってくる。……美綺の笑顔は魔法みたいだ。



美綺が笑うと、みんなも自然と笑顔になる。



それってすげーことなんだと思う。



「ねー流二?」



美綺が俺をジッと見つめる。



「ん?」



俺も美綺をジッと見つめた。



「ありがとねっ」



「え?」



美綺は俺を見てニコッと笑った。



「あたし、流二にはいっぱい感謝してる」



< 488 / 698 >

この作品をシェア

pagetop