【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺はそう言ってニッコリと笑い、更に言葉を続ける。



「流二に出会えて、色んなこと知ることが出来たし。辛いことも乗り越えることが出来た」



美綺は俺から目線を反らし、話始めた。



「……うん」



「楽しいこともいっぱいあったし、寂しい思いもいっぱいした」



「…………」



「だけど、流二に出会ってからあたしは変わった。変わることが出来た」



そう話す美綺の目は、すごく真剣だった。



でも時折、すごく幸せそうな表情を見せていた。



美綺の表情はすごく柔らかくて、イキイキしていた。



「流二と出会ってから、本気で人を好きになることの意味を知って……どんなに辛い過去があっても、誰かの力があれば乗り越えられることを知った。……好きな人と一緒に居られることの幸せを知って、でも時には悩んだり迷ったりすることもあって」



美綺の言葉が、今しっかり感じられる。



美綺が言いたいことは、ちゃんと理解出来る。



俺も今、美綺と同じ気持ちだから。



「だけど流二が居たからこそ、乗り越えることが出来た」



「…………」



「流二と一緒だったから、こうやって今幸せを感じることが出来てるんだ…」



美綺の口調が段々と優しくなっていく。



「…………」



「流二が一緒だから、こうやって笑うことが出来る」



美綺はそう言うと、俺を見て優しく微笑んだ。



「作り笑いとか引きつり笑いとかじゃなくて、本当の笑顔で。……それはきっと、流二と一緒に居るからこそ本当の自分を見せることが出来るからなんだと思うんだ」



美綺の口調がさっきよりもずっと優しくなった。



「……ああ。そうかもな」



「流二が側に居てくれるからこそ、本当の自分を出せる気がするんだ…」



美綺はそう言ってニコッと笑った。



それは……今まで見た笑顔の中で、一番優しい笑顔のような気がした。



一番、輝いて見えるような気がした。



だから俺も、きっとこの優しい笑顔を見て自然と笑顔になってしまうのだと実感した。



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