【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺は声を荒げた。



「分かる分かる。よく考えてみ?集中すれば分かるから」



俺は優しくそう言った。



「うん、分かった。じゃあやってみる」



美綺はニコッと微笑み、問題を解き始めた。



俺も勉強を始めた。



「……あっ、そっか。そういうことだったんだ!!」



問題を解いていると、美綺がいきなり声を出した



「おっ。分かったか?」


俺は美綺のノートを覗き込んだ。



「うん。こうでしょ?」



「ん。合ってる」



「よかったぁ。流二のおかげだよ。ありがとう!」



美綺はニコッと笑った。



「どういたしまして」



「なんか今、すっごく気持ちいい」



「ん?」



「解けない問題が解けると、こんなに気持ちいいんだね?」



「ああ。だろ?」



「うん!」



そしてその後、俺たちはひたすら問題を解いた。



「これってこれでいいの?」



「ん?ああ」



「……流二ってやっぱりすごいね」



「え?」



「勉強だってあたしより出来るし、運動神経も抜群で、なにもかもが完璧で。言うことなんか一つもないし」



「…………」



「あたしなんかが敵う所、一つもないもん」



美綺はそう言うと、また問題集に視線を戻した。



「……バーカ」



「え?」



俺は美綺のおでこに自分のおでこをくっつけた。



「りゅ、流二?」



美綺は目をパチパチさせた。



「んなこと、考えんじゃねーよ」



「え?」



「全てが完璧じゃねーよ。俺にだって出来ねーことあるし」



「…………」



美綺は俺をジッと見た。



「完璧な人間なんて居ねーよ」



「…………」



「人間、出来ねーことの一つや二つあるだろ?」



「……うん」



「俺だってそうだ。出来ねーことの一つや二つある。……だから、俺と自分を比べるな」



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