【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺が実家に帰ってからおよそ一週間。



俺の生活は以前となに一つ変わらない。



だけど、一つだけ変わったことがある。



それは……美綺が隣りに居ないってことだ。



今までずっと一緒に居たのに、今は隣りに居ない



だけど……美綺は今、母親になるために必死で頑張ってるんだ。



だから俺も、美綺を支えてやらなきゃならない。



でも、今の俺に出来ることなんかなに一つない。



ほんとはずっと側に居てやりたい。側に居て声を掛けてやりたい。……そう思うんだ。



だけど……今の俺にはなにも出来ない。



見守ってやることしか出来ないんだ。



美綺は今、すごく不安なハズなのに……なにも出来ない自分が悔しい。



俺は子どもの父親なのに、父親らしいことなんかなに一つしていない。



だけど、美綺の力になりたいんだ。



美綺は今、すげー不安になってると思うから。



俺が少しでも、美綺の不安を和らげてやりたい。



この一週間、ずっと美綺のことが気になってしまい、夜も全然眠れない。



美綺は今どうしてるんだろう?とか、ちゃんと食べてるかな?とか、不安になってないかな?とか、考えるのはいつも美綺のことばかりで……勉強にも全然集中出来ない。



俺が心配していても、今の俺にはなにも出来ないことくらい自分がよく分かってるんだ。



だけど、それでも美綺が心配で仕方ないんだ。



今の俺は美綺の側に居てやることが出来ない。



声を掛けてやることも出来ない。



だから、毎日連絡を取り合うようにした。



美綺が実家に帰ってから毎日それをやってる。



それで少しでも美綺の不安が和らぐなら、不安が消えるまでずっと話していたいと思った。



だけど、美綺が実家に帰ってから家の中の雰囲気がガラッと変わった。



美綺が居る時は雰囲気もすごく明るくて楽しいのに、美綺が居ないと雰囲気もすごく静かになる。



けどやっぱり、美綺が居ないとどうも雰囲気が落ち着かない。



まるで美綺と出会う前みたいに―――…



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