【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「そんな余裕ないよ…」



「でもまぁ、俺がお前にべた惚れしてるのは事実だからな」



「うん……流二、全然変わらない。相変わらずだね…」



「俺は変わんねーよ。いつだってお前の愛しの王子様だからな」



「もう流二ったら……調子いいんだから」



「だって事実だろ?」



「うん、当たり前じゃん。あたしの愛しの王子様は流二しか居ないから」



―――ドキッ



心臓がまた一つトクンと跳ね上がった。



まただ。美綺……お前今、またさり気なく嬉しいこと言ったよ。



やっべ……ほんとに余裕なくなってきた。



さっきから美綺の言葉にドキドキしっぱなしだし…。



はぁ……カッコ悪っ。



今の俺、すげーだせーっ



こんな姿、美綺には見せらんねーっ…。



「流二?」



「ん?ああ、わりーっ」



「どうしたの?眠くなっちゃったの?」



「いや、そんなことないよ」



「そっか」



「美綺は眠くないか?」



「大丈夫……ただ、体が重くて辛いけど」



「大丈夫だよ。産まれれば腹へっこむから」



「そうだね。もう少しの辛抱だね…」



「ああ」



「名前、そろそろ決めなくちゃね…」



「ん?ああ」



「あたしね、一応名前考えたんだ…」



「マジ?」



「うん。男の子でも女の子でもどっちでもいいように、いくつか選んであるんだ…」



「そっか」



「うん……産まれたら一緒に決めようね」



「ああ」



「流二は決めたの?」



「いや、全然決めてない。最近忙しくてそこまで考える余裕なかなかなくてな…」



美綺にはほんとに申し訳ないと思ってる。



名前くらい決めておくのがいいんだろうけど……そこまで全然手が回らなかった。



はぁ……カッコ悪っ。



こんなんじゃ、父親失格だよ…。



俺、ほんとにいい父親になれるのかどうか心配になってきた。



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