【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「そっか」



「ごめんな」



「ううん。忙しいのは仕方ないからしょうがないよ」



「なんか俺、カッコわりーな…」



俺はそう言ってため息をついた。



「そんなことないよ。ちゃんとあたしのこと心配してくれてるじゃん…」


「まぁ、そりゃあ当たり前だけど…」



「もうあたしはそれだけで充分だよ。ありがとう…」



「お、おーっ」



「流二は全然カッコ悪くなんかないから、安心して」



「ああ。ありがとな」



「うん。あたしこそありがとう……パパッ」



「え?」



パパ?……うわっ、なんか嬉しい。



パパか……俺ももうすぐパパになるんだな。



なんか、全然実感ないけど。



「じゃあ、もう遅いから切るね」



「ん?ああ」



「今日はイロイロ聞いてくれてありがとう」



「ああ」



「流二も、頑張ってね」



「ああ」



「ムリはしちゃダメだよ」



「分かってる」



「ならよかった」



「美綺もムリだけはすんなよ」



「うん、分かってる。じゃあまたね」



「おーっ」



そして、電話が切れた。



俺はケータイを机に置くと、ベッドにダイブした



「はぁ…」



さっきの言葉が頭に浮かんだ。



"パパ"



そうなんだよな…。



俺、もうすぐパパになるんだよな…。



なんか、全然実感ない。



だけど、今まで考えたこともなかった。



俺が父親になるなんて。



だから、今すごく新鮮な気持ちだ。



父親の顔もまともに覚えてない俺だけど……実際、もうすぐ父親になる訳で…。



実感沸かないけど、子どもが産まれれば少しは父親らしくなれるかな?



だけど、いい父親になりたいと心の底から思う。



初めて出来た家族を、この手で幸せにしたいと思ってる。



ゆっくり、ゆっくりでいいから…。



< 556 / 698 >

この作品をシェア

pagetop