【完】イケメン生徒会長は俺様!?
そして、更にそう続けた



「……え?」



「お父さん、ほんとに美綺のことが可愛くて仕方ないのね。……ずっと、早く産まれないのか?って言ってるわ」



「……お父さんが?」



お母さんをジッと見つめる。



「ええ……美綺はお母さんたちにとって、大事な一人娘だからね」



お母さんは優しい笑みを浮かべると、オムレツを口に入れた。



「お父さん…」



そんなにあたしのこと心配してくれてたんだ…。



……全然知らなかった。



「きっと、お父さんは素直じゃないのね」



「え?」



そして、お母さんは昔の話を話し始めた。



「美綺は知らないけど、お父さんは昔から素直じゃない人でね。人に気持ちを伝えるのが苦手な人だったの」



「お父さんが?以外…」



「お父さん……お母さんと付き合ってる時、全然"好き"って言ってくれなくて、不安になったことがあったの」



「え?……お母さんが?」



「ええ。お父さんはほんとにお母さんのこと好きなのかな?って思っちゃってね……お父さんに一度だけ聞いたことがあったの」



「聞いたってなにを?」



「アナタはほんとに私のこと好きなの?って」



「……そしたら?」



「そしたらお父さん、お母さんを抱き締めてこう言ったの。"世界で一番お前を愛してる"って」



「へぇ……なんか素敵」



「でしょ?お母さん、その言葉聞いた時すっごく嬉しくてね。泣いちゃったのよ」



「お父さんなかなかやるね。お母さん泣かせるなんて…」



「お父さん、素直じゃないけどすごくいい人なのよ。お母さんのお腹の中に美綺が居るって分かった時もすごく喜んでくれてね……"絶対幸せにするから"って言ってくれたの」



お母さんはほんのり顔を赤くしてそう言った。



「へぇ……素敵。お母さんが羨ましい」



「それでね、お母さんの誕生日の日にプロポーズしてくれたの」



「お父さん、プロポーズの言葉なんて言ったの?」



あたしは少し身を乗り出して言った。



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