【完】イケメン生徒会長は俺様!?
お母さんはそう言って優しい笑みを浮かべた。



「そうだね」



「でも、恋って不思議よね」



「え?」



お母さんはピザトーストを食べて言った。



「好きな人と一緒に居るとすごくドキドキするし、幸せな気持ちになるんだもの」



「うん、そうだよね。ほんとに不思議だよね…」



「お母さん、実はお父さんと付き合う前好きな人が居たの」



「えーっ?!」



「なによ。そんなに驚かなくたっていいじゃない」


「え?じゃ、じゃあ……お母さんは好きな人が居たのにお父さんと付き合ったってこと?」



「まぁ、そーゆうことになるかしらね」



「好きな人が居たのに、どうしてお父さんと付き合ったりしたの?」



「その人にはもう彼女が居たからよ。……だから、お母さんの想いはもうその人には届かないって分かったの」



お母さんはそう言うと、少し寂しそうな表情で笑った。



「……その人には告白したの?」



「ええ。だけど、フラれちゃったわ」



「そっか」



「だけど……フラれて泣いてるお母さんを、お父さんが慰めてくれたの」



「お父さんが?」



「ええ。お父さん"これ使えよ"そう言ってお母さんの前にハンカチ差し出してくれたの」



「へぇ」



「お母さん、お父さんの優しさが嬉しくてね。ついハンカチ貸してもらっちゃったの」



お母さんはそう言って優しい笑みを浮かべた。



「お父さん、昔から優しかったんだ」



「ええ。だってお母さんが好きになった人だもの」



「そうだね」



「それでね……その日がきっかけでお父さんとお母さん仲良くなったの」



「ふーん」



「でね、放課後とか一緒に勉強してたんだけど、そしたらいきなりお父さんがお母さんに告白してきたの」



「なんて言ったの?」



「"ずっと恵美が好きだった。だから俺と付き合ってください"って」



「ふーん」



「もちろんOKしたわ」


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