【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……うん」



あたしはニコッと笑った



「お母さんはどの名前がいいと思う?」



「んーそうね、美紅か美結かしらね?」



「やっぱりお母さんもそう思う?」



「あら、美綺もそう思ってたの?」



「うん。なんか可愛いから」



あたしはそう言ってニコッと笑った。



「ウフフッ」



「なに?」



「ううん。なんか美綺も母親らしくなったから、成長したなと思ってね」



お母さんはそう言って優しい笑みを浮かべた。



「お母さん…」



「お母さんね、正直美綺のことがほんとに心配だったの」



「え?」



「美綺は高校に入ってからずっと雨宮君と暮らしてるから、美綺がお母さんたちの手の届かないところに行っちゃったように思えてね。寂しかったの」



お母さんは寂しそうな表情をしてそう言った。



あたしはコーヒーカップを持ったまま黙り込んだ



「お母さんたちにとって美綺は大事な一人娘だから、なんか遠い存在になったみたいだった」



「お母さん…」



「お母さんたちの知らない所で、美綺はどんどんどんどん成長して。お母さんたちから離れて行くような気がして、なんか寂しかったわ」



お母さんはそう言うと、コーヒーを一口飲み引きつり笑いを浮かべた。



「お母さん…」



「ごめんなさい…」



お母さんは涙を拭った。



「お母さん、大丈夫だよ。あたしはどこにも行かないから」



あたしはお母さんの側に駆け寄ってそう言うと、お母さんの肩を抱いた。



「そうよね。美綺はどこにも行かないわよね…」



「うん。だってあたしは、お母さんの子どもだもん」



「ええ。あなたはこれからもずっと、お母さんたちの子どもよ」



お母さんはそう言うと、優しい笑みを浮かべた。



「うん」



「美綺が子どもを産んでも、結婚しても、美綺はずっとお母さんたちの子どもよ。美綺はお母さんたちの大事な宝物なんだから」



お母さんはそう言ってニコッと笑った。



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