【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「雨宮!!」



授業中、先生が慌てた様子で教室に入ってきた。



「はい?」



「今すぐ病院に行け!!」



先生が息を切らしながらそう言った。



「え?」



病院?



「早く行け!!森村が陣痛で病院に運ばれたんだ!!」



「えっ…」



美綺が病院?



「早く行け!!」



「あっ、はい」



俺は急いで教室を飛び出した。



「雨宮乗れ!!」



校門を出ると、斉藤先生が車の窓を開けて言った



「はい!!」



俺は斉藤先生の車に乗った。



そして斉藤先生は、急いで病院に向かった。



―――――…



病院に着いた俺は、斉藤先生の車を降りて軽く頭を下げた。



そして急いで病院の中に入った。



分娩室の前に行くと、美綺の母親が居た。



「あら雨宮君……来てくれたの?」



美綺の母親は俺の方に振り返りそう言った。



「あの……美綺は?」



「今、頑張ってるわ…」



美綺の母親はそう言ってソファーに座った。



「大丈夫……なんですか?」



俺は美綺の母親に視線を向けて言った。



「ええ……きっと大丈夫よ」



美綺の母親は小さな声でそう言うと、両手を組んだ。



俺は分娩室の扉に視線を向けた。



美綺、頑張れ。俺はここに居るから…。



ちゃんと見守ってるから…。



分娩室の扉を眺めながらそう祈った。



「雨宮君…」



いきなり美綺の母親が口を開いた。



「……はい?」



俺は美綺の母親に視線を向けた。



「美綺のこと、よろしくお願いしますね」



美綺の母親はそう言って頭を下げた。



「え?」



俺は美綺の母親をジッと見つめた。



「雨宮君には……本当に感謝してるの」



美綺の母親は静かに口を開き、話し始めた。



「…………」



……え?



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