【完】イケメン生徒会長は俺様!?
俺は美綺の母親の隣りに座った。



「美綺は……アナタと出会ってから変わったわ」



「え?」



「美綺はあんなことが起こってから……すっかり元気が無くなったわ」



「…………」



「だから高校受験の時も、外部受験で今の高校に行きたいって言い出したの」



「…………」



「多分美綺が外部受験したいって言い出したのは……あんなことがあったからでしょうね」



「…………」



「あたしたちは別に反対はしなかったわ。……美綺がそうしたいならそれでいいと思ったから」



「…………」



初めて……美綺の母親の口から、美綺のことを聞いた。



美綺は……外部受験だったのか。



あっ、そりゃあ通りで見たことないハズだよな。



外部受験のヤツが来るなんて聞かされてなかったし…。



ほとんどのヤツ等は中等部から上がってくる訳だし、大体は見たことあるけど…。



確かに、美綺は初めて見た顔だった。



まぁ……最初は中等部のヤツだと思ってたからそこまで気にしてなかったけど。



まさか、美綺が外部受験だったなんて―――…



「だけど、美綺はアナタと出会ってから変わったわ。……アナタと出会ってから笑顔が増えたし。これもアナタのおかげよ?ありがとう」



美綺の母親はそう言うと、優しい笑みを浮かべた



「……はい」



「アナタには本当に感謝してるわ。美綺をここまで元気にしてくれたんだもの…」



「いえ。……俺はなにも」



俺だって、美綺には感謝してる。



美綺と出会わなければ、今の俺は存在しなかった



それに……美綺と出会えてなかったら、俺は本気で人を好きになることなんて絶対なかったから。



今の俺があるのは……全部美綺のおかげだ。



だから……俺も美綺に、"ありがとう"って言わなきゃイケない。



今まで……美綺に"ありがとう"なんて言葉、真正面から言ったことはあんまりないけど、美綺には充分すぎるほど感謝してる。



お礼を言うのは俺の方だ


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