【完】イケメン生徒会長は俺様!?
だけど……子どもが産まれた時はほんとに嬉しかった。



今までにないくらい嬉しかったし、幸せだった。



それと同時に……やっと母親になったんだと実感した。



子どもを育てるのは大変かもしれない。



だけど美紅は……美紅だけは自分たちの手でちゃんと育てていこうと、強く決心した。



……流二と二人で。



そしてそれからあたしは、一週間くらい入院することになった。



美紅もどこも異常はなく、健康ということだった



今は……無事に産まれてきてくれてよかったと、心の底から思う。



ただそれだけを―――…



母親になったとはいえ、あたしはまだ半人前。



一人前になるには、まだ程遠い。



だけど……絶対にいい母親になる。



美紅が産まれた時、そう強く決意したんだ。



母親としてはまだまだだけど……それでも精一杯頑張りたいと思うんだ。



流二とあたしの間には……"美紅"という、大事な"家族"が居るから。



流二とあたし、そして美紅。



3人で……幸せな家庭を築きたいと思う。



これからは……一人じゃない。



流二が居て、美紅が居る



だから……3人で頑張りたい。



……そう思う。



美紅は……あたしたちの大事な宝物だから。



あの日―――…



子どもが出来ないかもしれないと言われたあの日、あたしはどれだけ泣いただろう…。



泣いても泣いても、涙が止まることはなくて……拭っても、涙が次々と溢れ出してきたんだ。



それほど……ショックだった。



あたしの夢は好きな人と結婚して、好きな人の子どもを産むことだった。



だけど、医者から子どもが出来ないかもしれないと言われたあの日……あたしの夢が叶うことはなくなってしまった。



子どもが出来ないかもしれないと言われたことが、あの頃のあたしにとって一番辛かった。



もう好きな人との子どもを産むことは出来ない。……そう思うと、悲しくて仕方なかった。



だから、"死にたい"とも思った。


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