【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「俺には美綺たちが居るから、もう一人じゃない。大丈夫だ」



「お坊ちゃま…」



「ありがとう……白木」



「はい」



「俺、白木には本当に感謝してる」



「はい」



「ほんとにありがとう。白木にはいつも助けられてばっかりだな…」



「いえ…」



「白木のこと、一生忘れないからな」



「はい。私もです」



「……今日で、白木とお別れなんだな」



俺は白木から離れて言った。



「お坊ちゃま…」



「……なよ」



「え?」



気付いたら俺の目にも、たくさん涙が浮かんでいた。



「行くなよ……白木」



「お坊ちゃま…」



「行くなよ…」



白木は……今日付けで退職することを決めていた



退職した後は地元に戻り、子どもと暮らすことに決めたと……卒業する前に言われた。



だから俺は、白木のやりたいようにやらせてあげようと退職することを許した。



ほんとは、白木が居なくなるのがすごく寂しい。



退職なんかして欲しくないって思う。



だけど、白木の人生だ。



俺には白木の人生を決める権利はない。



だから最後くらい、白木の好きなようにさせてやりたい。



……そう思った。



だけど白木には、ほんとに感謝してるんだ。



今までずっと俺の側に居てくれたから。



独りぼっちだった俺の側に、ずっと居てくれたから。



白木は俺にとって、本当に大切な存在だった。



父親が居ない俺にとって、白木は父親みたいな存在だった。



いや、もう父親も同然だった。



今まで恥ずかしくてなかなか口に出来なかったけど、白木には本当に感謝してるんだ。



ありがとうっていつも心の中で言ってた。



小さい頃から文句一つ言わずに一生懸命俺を、本当の息子のように育ててくれた。



ずっと可愛がってくれた



だから今ここで、白木に本当の気持ちを話そうと決めていた。



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